2007年7月11日更新

ヌーの大移動のシーズンがやってきました

 今年もまた恒例のヌーの大移動が行われるシーズンがやってきました。“セレンゲティ・マラ・エコシステム”を舞台に行われるこの川渡りは、自然の神秘のひとつと言えるでしょう。150万頭以上のヌー、20万頭以上のシマウマ、そして50万頭ものトムソンガゼルが、群をなして移動する姿は圧巻です。毎年7月頃にタンザニアのセレンゲティ国立公園からケニアのマサイマラ国立保護区へ、そして10月から11月頃にマサイマラ国立保護区からセレンゲティ国立公園へと再度移動を行います。

 この移動は、草を追い求めて行われます。そのため移動が行われる時期は、雨量、草の状態により、年によって異なります。4月〜6月までの大雨季をセレンゲティ南東部の大平原で過ごしたこれらの200万頭の草食動物たちは、乾季を迎え、まずは雨季の間に草が生い茂ったセレンゲティ北西部の森林地帯へと移動します。そして、タンザニアとケニアの国境にもなっている、お腹を空かしたワニたちの待つマラ川をついに渡ります。この世界的に有名な川渡りが行われるのが、毎年7月頃です。ただ、世界的な気候変動の影響を受けてか、昨今は川渡りの時期を予想するのが非常に難しくなってきています。マサイマラでは、約3ケ月のうちに草を食べつくし、10月〜11月の小雨季にはセレンゲティへとまた移動していくのです。

 実は、このヌーの大移動に伴う川渡りは、マラ川だけではありません。セレンゲティ国立公園、マサイマラ国立保護区の中にはそれぞれ川が蛇行しながら流れており、これらの川を何度か渡って初めて大移動の終了となるのです。

 ヌーの生態は、この大移動への最適条件を適えています。ヌーの出産は、毎年1月から3月の約3週間に集中して行われます。そうすることにより、乾季の大平原の短い草の中、肉食動物の脅威を見つけやすい環境で、ヌーの赤ちゃんはある程度の成長を遂げることができます。そして7月の大移動の頃には、ヌーの赤ちゃんも誕生からは半年ほどが経っており、川渡りができるまでの大きさに成長しているのです。そしてさらに、マサイマラの森林地帯に棲む頃までには、森の中でも天敵から身を守れるほどになっています。

 さて、2007年のヌーの大移動の状況です。2007年7月6日現在、今年はまだ、マラ川渡りを行っていないようです。最近降った雨が、ヌーたちを混乱させ、セレンゲティ国立公園にとどまらせています。メインの大型グループは、大平原から森林地帯への移動を終えました。そして、セレンゲティ国立公園内のグレメティ川(Grumeti River)を越え、北部への移動をしようとしているところです。ヌーたちは、さらなる北上を続け、ついに大迫力のマラ川の川渡りを行います。
“セレンゲティ・マラ・エコシステム”の神秘です。

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