2007年7月23日更新

日本の伝統的井戸掘削技術“上総掘り”をケニアに伝える

特定非営利活動法人“インターナショナル・ウォーター・プロジェクト”

 特定非営利活動法人“インターナショナル・ウォーター・プロジェクト(IWP)”は、2005年、ケニア南東部カジアド郡ジュキニ地域に6本の井戸を掘るプロジェクトを実施しました。そして、今年2007年9月、同地域で上総堀り技術指導者を育成しながら、さらに6本の井戸を掘り、現地の小学校で環境教育を実施するプロジェクトが始まります。

 IWPが使う井戸掘削技術は、上総地方の伝統技術「上総掘り」を現地に適応するように改良した「新方式上総掘り」です。機械や燃料を全く使わずに簡単な道具と技術で、井戸を掘っていきます。作業をするのが少人数ですむこと、3週間程度と言う比較的短い期間で仕上げられること、そして道具・資機材をすべて現地で調達できて低費用ですむことがその特徴です。IWPは優れた井戸の掘削方法として、上総掘りを水不足に悩む国々に広めています。

 IWPでは完成した井戸をコミュニティに寄付するのではなく、コミュニティの住民へ「技術移転」を行っています。そして、掘削に参加し、技術を習得した住民たちを“上総掘りエンジニア”として認定します。この認定システムにより、エンジニアたちが自信を持つだけではなく、さらなるモチベーション喚起にも繋がっているのです。そのエンジニアたちは住民と一緒に井戸の維持・補修も行います。ケニア人の上総掘りエンジニアが技術指導にあたり、コミュニティ住民だけで井戸の掘削が出来るようになることがゴールです。

 IWP理事長の大野さんが、ケニアで初めて上総掘りに挑戦したのは、2002年のこと。このパイロットプログラムで「大丈夫」という確信を得た大野さんは、2005年にJICAの「草の根協力支援型」プロジェクトとしてこの上総掘りを進めました。プロジェクトサイトのジュキニ地域の人々は、ロンボ川から水を汲んでいました。ロンボ川は、上流の灌漑農業の開発により、水位が下がっただけではなく水の汚染も進み、周辺地域では1998年にコレラが大流行しました。井戸の完成後、住民たちは川から水を汲むことをやめ、安全な水源を得たことで、衛生面での改善もかなり進みました。

 大野さんのアフリカとの出会いは、1986年にさかのぼります。NGO「難民を助ける会」のメンバーとしてザンビアの難民キャンプに派遣された際に、上総掘りの井戸を初めてアフリカの地に掘削しました。また、タンザニアでは、ケニアのNGO「AMREF(African Medical & Research Foundation)」のジョージ・ワンブーアさんが参加しました。それがきっかけとなり、ケニアでの上総掘りの普及を始められたそうです。1995年にIWPを設立。2005年にはIWPケニアを設立し、ジョージさんの所属する「AMREF」を現地パートナーとして活動しています。

特定非営利活動法人
“インターナショナル・ウォーター・プロジェクト”

上総掘り、IWPについて、詳しい情報は下記のウェブサイトをご参照ください。
http://homepage3.nifty.com/iwp/

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